【CDアルバム「ANOTHER WORLD OF OKINAWAN MUSIC」評】

Songlines Magazine, Asia ReviewsにCDレビューが掲載されました。

No.165, March 2021 

公式サイト

「ANOTHER WORLD OF OKINAWAN MUSIC」

★★★★

ディープ  エレクトロ  アコースティックなバイブス

 

 沖縄のミュージシャン睦美は、デビュー作で、故郷の島のサウンドスケープをエレクトロアコースティック体験として再考している。 沖縄の伝統音楽の巨匠たちに師事し、ボーカルと三線をエレクトロニックなサウンドスケープやオーディオビジュアルと組み合わせ、内外で説得力のあるローカルカルチャーとしての一つの形を作り上げている。 短い口頭のパッセージ(「入口」および「出口」と表現されている)は、瞑想的で没入型のトーンを設定するブックエンドとして機能しており、アルバムを通して、音楽的、テクスチャー的なアンビエンスのシーンの間をゆったりとシフトする。 

 睦美は、沖縄の生活のさまざまなサンプル音とフィールドレコーディングの音でこれを実現し、自然の音や地域の演奏者や祭事の音もブレンドしている。 睦美の声と三線が最前面に立つ際がアルバムが最も印象的である一方で、彼女の美しくメリスマ的なボーカルは特にハイライトである;これらの両義的な瞬間は、アルバムの中心的なテーマである 居場所と成長 の核心を切り開く。 革新的で前衛的、睦美は、それ自体が知的な芸術作品でありながら、沖縄音楽の従来の概念を覆す作品の創造に成功している。 フィジカル版CDには、サウンドスケープ、アート、アーカイブ映像を含むDVDも付属。  

 

Charlie Cawood 

​TRACK TO TRY Chijuyaa

                                           

近年沖縄の音楽シーンに現れたミュージシャンの中でも最も興味深いミュージシャン、新垣睦美のファーストアルバム。 伝統に深く傾倒しながらも、彼女は勇敢な実験家でもあり、真に新しいものを生み出している。 新旧のシームレスなブレンド;三線、自然音、ループ、エフェクト。 沖縄の情景、自然、ヴィンテージの映像、祝祭などの映像を含んだ、素晴らしいDVDが付属。 新しいベンチマークを築く、本当に重要なアルバムである。

Far Side Music, UK

沖縄音楽の現在に興味のある者、新垣睦美が向かっているエキサイティングな新しい方向に興味のある者にとって、このアルバムは必聴である。彼女はまさに比類のない先駆者である。このアルバムのタイトルほどぴったりなものはないだろう。記事全文

ジョン  ポッター   The Power of Okinawa 

坂本龍一、大友良英、ベーシックチャンネル、アンダーグラウンド・レジスタンス、キング・タビー

この中で1つでも好きな方は必聴です!

 

沖縄民謡 meets フライング・ロータス!?

正統派の島唄と三線と音響的な世界観をここまで革新的に融合させたアーティストは彼女をおいて他にいない!

ARAGAKI MUTSUMI

“アナザーワールド  オブ  オキナワン  ミュージック”

CD shop HMV

CDリリースについての記事

新垣睦美が初ソロアルバム:

沖縄伝統音楽の「匂い」をそのままに、再構築した12曲を収録した。音楽と映像を融合させる「オーディオビジュアル」の手法で、現在は沖縄を拠点に国内外で幅広く活動を行っている。タイトルにもあるように「音と映像を通した異世界へのトリップ」(新垣)をイメージしたという。エレクトロニクスの効果やグルーブ感など斬新な音のアレンジを施した。「原風景を崩さず、現代的(※現代で典型的になっている雰囲気のサウンド)にもしない。ユニークさを壊さずに言語や文化を超えられたらいい」と期待する。

※は、本人追加

CDリリース記念ライブについての記事

古典や民謡 斬新アレンジ:

琉球古典音楽や民謡を斬新なアレンジと映像で再構築。新たな世界を表現した。「歌三線」をベースに、沖縄の伝統音楽の可能性を追求している新垣。音と映像を融合させる「オーディオビジュアル」の手法を生かした作品にも取り組込んでおり、2020年9月に初のソロアルバムを発表した。ライブ序盤は沖縄民謡で深みのある歌声を聴かせた。スペシャルゲストのバンド「KgK」との共演では、沖縄の風景を切り取った映像とともに、三線とジャズの融合を試みる意欲的なステージとなった。後半はアルバム収録曲を中心に展開。「かぎやで風節」をモチーフにした「Kajadihuu」では古典の香りをそのままに。「ナークニー ハンタバル」では三線の早弾きとジャズを組み合わせた多彩な音で、既存の古典や民謡から一歩踏み込み、幻想的な世界に引き入れた。

 

沖縄タイムス 天久仁

 

CDリリースについての記事

古典や民謡、大胆アレンジ:

琉球古典音楽や沖縄民謡を大胆にアレンジしながらも、土の香り漂う声と三線の音色は沖縄らしさを強調している。新垣は、ライブなどで歌三線を録音・再生して次々とフレーズを重ねるループペダルやエフェクトを駆使して幻想的な沖縄音楽を作り出している。収録されている「かぎやで風節(Ka jadihuu-bushi)」や「浜千鳥館(Chijuyaa)」などにもさまざまな音と声を重ねたサウンドを繰り広げている。新垣は「沖縄の原風景を残しつつ、自分の中で聴こえる音を表現したかった」と語る。

 

琉球新報 金城実倫

CDリリース記念ライブについての記事

独創的な音色 観客魅了:

琉球古典音楽や沖縄民謡を編曲し、自然の音や電子音などを融合させ、新垣の味わい深い歌三線で独創的な沖縄音楽の世界へ引き込んだ。「かぎやで風節」や「浜千鳥節」では、厳かな世界観で歌三線を響かせた。KgKとの即興セッションで収録曲から「ナークニー ハンタ原」や「Nankuru Nankuru」を披露。ライブごとに曲を変化させ、有機的な音色で新垣の歌三線と融合し、空間を圧倒した。最後に「Too Much Love For You」を演奏。KgKの繊細な音色と対比的に、新垣の心の底から湧き出るような洗練された歌声が会場を包んだ。新垣は「日常の風景の中にある音がアンビエント(環境音楽)のように聞こえ、音楽が生活の中に深く入り込んでいると感じている。アルバムでは自分の内側で沸き起こっている音を丁寧にすくい上げ収録している作品だ」とコメントを寄せた。

 

琉球新報 田中芳

 

 

 

 

 

新垣睦美は、沖縄音楽における先駆者だ。過去と、彼女の島の伝統音楽の豊かな歴史に対して、この上ない敬意をはらいながらも、彼女は多くの実験とグローバルなコラボレーションに果敢に挑んでいる。彼女の独特なボーカルスタイルと三線の妙技は徐々に知られるところとなり、彼女はその両方を駆使し、沖縄音楽を新しい方向に動かす冒険的なスタイルを創造している。このアルバムで彼女は、自然の音やエフェクトも取り入れながら、アナザーワールドを単独で作り上げ、聴覚と視覚のトリップ体験へとあなたをどっぷりと誘う。

 

ジョン  ポッター 音楽評論家, ”The Power of Okinawa” 著者

睦美の音楽の旅路をフォローすることは素晴らしい体験だ。私が最初に彼女の音楽に触れた時には、彼女はジャズと沖縄音楽を融合していた。それ以来、彼女は、非常に多くの他の音楽のスタイルを吸収してきたようだ。不思議なのは、深い魂を持つ人の、古代の伝統と通信する声を聴いているかのような感覚になることだ。同時に、全く新しい、革新的な、今まで聴いたことのないものを聴いている感覚にもなることだ。古くて新しい。多くの曲を聴く中で、彼女の音楽にはいつもじっと聴き入ってしまう。私はこのアルバムを長い間待ちに待っていた!待っていただけの非常に価値のあるアルバムだ。

ポール  フィッシャー​ 音楽評論家, Far Side Music, Far Side Radio DJ

 ジャマイカ、バリ、マダガスカル、キューバ。島々は往々にして音楽の楽園だ。様々な音と楽器と伝統音楽のるつぼである。沖縄は日本における音楽の中心的存在だ。ユニークで、他の地域の音楽と違う、プエルトリコの音楽が米国本土とは違うように。沖縄では、島々のクラブにおいて、伝統音楽はモダンなサウンドと融合している。博物館や図書館の収蔵品のような存在ではなく、音楽は生きており、絶えず変化している。

 歌手で三線奏者である新垣睦美は、沖縄の鮮やかで多彩なサウンドの縮図のようだ。遠く西アフリカやバスクのアーティストや、数多くのローカルのフォークやジャズミュージシャンと共演し、彼女のサウンドはユニバーサルであり同時に純粋に沖縄的だ。このアルバムで彼女は、沖縄の伝統曲をモダンにアレンジし、沖縄の言葉 ”ウチナーグチ”で歌い、その声を三線とエレクトロニックなサウンドで包み、アンビエントでありながら土くさい音楽を提示している。新垣さんは沖縄音楽の未来であり過去である。

ジェームス  キャッチポール 音楽ライター / ブロードキャスター,  the OK Jazz Podcast ホスト

素晴らしいですね。ルーツ・ミュージックに明るくは無いですが、沖縄(琉球)を越えた世界観だと思います。アフリカのサバンナで聞いても命の叫びや情念がかきたてられるような。録音でも完成度は高いですが、ライブで味わったらもっと感動的なのでしょう。このコロナ禍の折だから、なおさらそう思いました。

七里 圭 映画監督

 

新垣睦美は、唄と三線に若くしてベテラン唄者のような枯れた趣と迫力を宿した沖縄民謡の唄者だ。同時に、伝統的な民謡にギターなどで用いられるループやエフェクトといった新しい手法を取り入れた希有な演奏者でもある。しかもギターのようにバックトラックを組み立てて伴奏させるのではなく、あくまで唄三線を包みこみ、空間を満たす手法として駆使されるのも個性的だ。そんな彼女がアルバムの制作を始めたと聞いてから待つこと数年、待望の作品の封をおそるおそる解くと、これまでの音の試みが熟成され、ついには映像まで内包し、濃厚なうねりとなってあふれだした。この作品に触れる者は、青い空と海だけではない、ねっとりとしてけだるい、沖縄のもう一つの世界(アナザーワールド)にのみ込まれることになるだろう。

萩野一政 沖縄イベント情報ネットワーク・箆柄暦編集室 主宰

 

新垣睦美の音楽は、琉球古典音楽誕生以前から現代へと連なる、沖縄音楽の絶え間ない流れの中で、最も新しい音楽のひとつである。アンビエント・ミュージックと捉える人もいれば、アバンギャルドと評する人も多い。私は、オーセンティックな沖縄音楽が、より現代的にアップデートされて表現されたものと感じている。音楽が、沖縄という土地の自然や歴史、社会の背景などとリミックスされて放たれるのだ。彼女独自の解釈と表現は、言葉の壁もしなやかに越えて、文化的な背景の異なる人にも説得力を持つ。世界が新垣睦美の音楽に気づく日はそう遠くないと思う。

野田隆司 Music from Okinawa / Trans Asia Music Meeting プロデューサー・ディレクター

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